朝のお散歩に挑戦した火曜日。

最近ずっと、「朝にもう少し余裕がほしいな」と思っていた。

仕事に追われる日々が続くと、どうしても朝は“準備の時間”になってしまって、

心が動く余裕がなくなる。

そんなとき、ふとSNSで「朝の散歩がいい」という言葉を見かけた。

まあちょっと痩せたいし。

なんとなく気になって、昨夜のうちにスニーカーを玄関に出しておいた。

お気に入りのスニーカー履くだけで

ちょっと気分が上がるよね。

そして今朝、いつもより30分早く目覚ましをセットしてみた。

少し早めに出発して、

いつもはバスに乗るけど、今日は歩いてみよう。

まだ外は少し肌寒い。

空は淡いグレーとオレンジが混ざっていて、

街は静かで、車の音もまばらだった。

それだけで、いつもの朝とはまるで違う世界みたいに感じた。

歩き出してすぐ、遠くからパン屋さんの香ばしい匂いがした。

いつも通勤のときに通り過ぎる道なのに、

こんな香りがしていたなんて気づかなかったなあ。

朝の空気って、少しひんやりしていて、

でもその冷たさが気持ちを引き締めてくれる。

わ、もうキンモクセイの季節か。

キンモクセイの香り大好きなんだよね。

季節の移り変わりを、こんな風に感じたのは久しぶりかもしれない。

普段はスマホを見ながら歩くことが多いけど、

今朝はただ足音と風の音だけを聞いていた。

朝日がビルのすき間から差し込んで、木の葉がキラキラ光っていた。

それをぼーっと眺めていたら、

気づかないうちに呼吸が深くなっていて、

心の中が少しだけ整っていくような気がした。

「今日も仕事かぁ」っていう憂鬱な気持ちが、

「今日も始まるんだな」くらいに変わっていた。

同じことなのに、心の角度が変わるだけで、

こんなにも見える景色が違うんだと思った。

だんだん朝日が昇って、

街が少しずつ“いつもの顔”に戻っていく。

車の音、子どもの声、コーヒーの香り。

いつもより早く駅に着いたから

カフェでコーヒーでも飲んでいこうかな。

それだけで、なんだか一日が得した気分。

淹れたてのコーヒーを飲みながら、

「やっぱり、朝っていいな」と静かに思った。

たぶん毎日は無理かもしれない。

でも、週に一度くらい、

こうして少しだけ早起きして歩く朝を続けられたらいいな。

がむしゃらな日々の中でも、

自分のペースで呼吸できる時間を、

ちゃんと見つけていきたいと思った火曜日の朝だった。

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